デンバー→ロサンゼルス・恐怖のフライト!?

今回は、 前回の記事の続きで、怖い思いをしたデンバー→ロサンゼルス間のフライトについてお話ししたいと思います。

前回の記事でお伝えしたように、
遅延していたデンバー発ロサンゼルス行き、ユナイテッド航空機
私達はロサンゼルスで乗り換えて、成田へ行く予定となっていました。
ハリケーンによるトラブルで、急に招集されたユナイテッド航空のCAは、若い男性、若い女性、ベテラン女性の3名でした。

1時間20分の搭乗時間遅延の末、ついに搭乗が始まりました。

しかし、機内に入りホッとしたのも束の間…
20代後半~30代前半と思しき白人男性が、軽く握りしめた両手で顔の下半分を覆いながら、3列+3列の飛行機の通路をしきりに前後に行ったり来たりしています。
(↓のイラストの様な感じです。イラストはフリー素材からダウンロードしています。)

その彼は、機内をうろうろしながら、あちこちのオーバヘッド・コンパートメント(頭上の荷物入れ)を開けまくり、さらには他人の座席内に入り込んで座席の下をのぞき込んだりと、とても落ち着かない様子…

その行動は明らかに異常で、それを見た私は (薬物中毒か、何かの病気かで) 「この人絶対にヤバい人だ…!」と思いました。

彼のうろうろは止まらず、こちらにも近づいて来たりしていたので、何か危害を加えられたら怖い…と思いながら、その場の状況を見ていました。

しばらくすると”SECURITY(セキュリティ)“とプリントされたベストを着た、いかついお兄さんが機内に入って来て、何やらその男性と話しはじめ…

その後、セキュリティの男性は、男に自身のスーツケースを持って機外に出るよう指示したようで、男はセキュリティに連行されて、飛行機の外へ出て行きました

”いったい何が起きたのか…?でも、とにかくヤバい人が出て行って良かった…”と思っていると、ホッとしたのも束の間、
例の男が再び機内へ戻って来たんです!!!

私は心中で「戻って来たのか~~~い!」とツッコミをいれていました。
”何でこんな怪しい人が機内に戻って来れるのよ!?? 怖いよ~” と、愕然…。

すると、彼以外はとっくに離陸態勢で全員着席しているのに、男は戻るや否や再び通路や座席をうろつきまくり、片っ端からオーバヘッド・コンパートメントを開けたり閉めたりし始めたんです。
その様子は狂気じみていました。

そうこうしていると、今度は機長が男性のところにやって来て、またその人と何やら話し込み始めました。
それを眺めながら私は、「ああ…お願い…この人がこの飛行機から出て行ってくれますように…」と祈る思いでした。

すると、今度は機長が彼にスーツケースを持って出て行くよう指示、今度は機長に連行されて彼は機外に出て行きました

それを見て、ホッとした私達夫婦。
彼の席の周りの乗客たちも何事なのかと怪しんでいました。

”あの人、本当に一体何だったの!?、でも、怪しい人がついに出て行ってくれてとにかくホッとしたわ…” と安堵。

しかーーーし、またまたその男性が機内に戻って来たんです!!!

それを見た私は 「また戻って来るのか~~~い!」 と、さっきより強めのツッコミを入れずにはいられませんでした。

この時点で、ただでさえ1時間20分搭乗が遅延していた飛行機が、この揉め事のせいで、さらに20分以上の遅延となっていました。
これによって乗り換えが間に合わない可能性がさらに高くなり、焦るやら、怖いやら …。

しかし、彼のうろつきは止まらず、”このままじゃ離陸できないよ…”と思っていると、今度は若い女性CAが彼の元へ行き、彼の話を聞いてあげている様子で「うんうん、分かった…」と言いながら彼をなだめている様子でした。

彼の周りの席の人達も、この状況に不穏なムードに…

”お願い、飛行機から降りてちょうだい~~~”と祈る私。

しかし私の願いはむなしく、CAさんは彼をなだめて何とか着席させ、彼を乗せた飛行機がついに離陸することになってしまいました

無事に離陸は完了したものの、シートベルトサインが消えたとたん、またしても機内をうろつき、手当たり次第にオーバーヘッド・コンパートメントを開けたり閉めたりしていました

それを見ていたもう一人のベテラン女性CAが今度は彼の元へ行き、再び席に着かせ、しばらく彼の話を辛抱強く聞いたり、なだめたりしている様子でした、

その様子を観察しつつ、この人が暴れ出したりして機内で何か事件でも起こって、デンバー空港に戻ったり、別の空港に緊急着陸でもしたら、乗り換えに間に合わないどころじゃ済まないわ…
とハラハラする私達。
飛行機に間に合わないならまだしも、事件に巻き込まれるのでは?という恐怖心の方が膨らんできていました。

そんな中、しばらくするとベテラン女性CAが彼の元を離れ、機内アナウンスを流し始めたのです。
”何事か!?”とアナウンスに耳を傾けると、
「どなたか、グレーのバックパックを見かけませんでしたか?乗客の皆様は各自、座席の下をご確認下さいますよう、お願いいたします。」とのこと。

それを聞いた私は、
”ある訳ないよ~!だってヤバい人の言っていることだし…!!”
…と思っていたら…

・・・・・・・・!!!!!

彼の席の通路を挟んで反対側、彼の斜め前くらいの席の乗客が挙手し、
「ありました!」
と、言うではありませんかっっっ@@!


この日の私の3度目のツッコミは”ホントだったんか~い!”ですよ^^;

え!じゃあ妄想とか、頭がおかしい人とか、そういう事ではなく、彼は実在するバッグを探していたのね…とビックリ。
彼のうろつきは、失くしたバッグを必死に探しているゆえの行動だったんです

機内の英語アナウンスでは”Backpack” という表現でしたが、実際、見つけた乗客から彼に手渡されたバッグは、もっと小さくて貴重品程度しか入らないような、斜め掛けして背負うような小さいバッグでした。

彼に荷物が渡されると、これまで私達と同様に不安な様子で事態を見守っていた周囲の乗客達から、レーザーラモンHG顔負けの(←古い…)「フォーーーーー!」という大歓声と共に、拍手が沸き起こっていました…

さらにさらに、彼の元へアナウンスをしたベテラン女性CAが現れると、彼とハグをしていました。

この日の私の最後のツッコミは ” 欧米か!” ですよ(笑)。

これにて恐怖のフライトについては一件落着
バッグの見つかった彼は、もううろつくこともなく、私達もついに安堵したのでした。ああ、生きた心地がしなかった…。
ここまでくるのに40分は経過していたと思います。

きっとセキュリティや機長や周囲の誰もがヤバい人の妄想、と思っていた彼の主張を、ベテラン女性CAが最終的には信じて、機内アナウンスを流し、解決に至ったのでしょう。
思い起こせば、前回の記事で書いたように、急遽寄せ集められたCAさん達だったのですが、素晴らしい対応でした。


…さて、そんな私達を乗せた飛行機はその後、 ロサンゼルス国際空港に着陸したものの、遅延していたため乗客達は焦っていました。

みな飛行機のドアが開くのを首を長くして待っているようで、通路で今か今かとドアが開くのを待ち構えている乗客ばかり。

近くの乗客数名と話したところ、
「もう俺は、乗り継ぎフライトが遅れていない限り、完全に間に合わない…」とか「ダメだ~」とか嘆いていました。

「私達も間に合わないかもしれないんです…」と話していたら、LA乗り継ぎを良く知るアメリカ人男性が、飛行機降りたらこういうルートでダッシュするといいよ、俺はもう間に合わないけど頑張って、と声を掛けてくれました。

飛行機のドアが開くと、そこから私達は猛ダッシュ!ロサンゼルス国際空港内を大きなスーツケースを転がしながら走り抜け、ANAのチェックインカウンターへ息を切らしながら到着。

すると、なんと乗り継ぎのフライトもハリケーンの影響で遅れていたため、余裕で間に合い、ラウンジで飲食もする時間までありました。

これにて、無事に帰路へ。
私達の2019年のカリフォルニア→コロラド旅が終了。

最後の最後に怖い思いをしたけど、結局はただの珍事件で良かった…
しかも、アメリカらしいハッピーエンドを迎え、ブログのネタになりましたしね\(^o^)/


次回は、
2019年カリフォルニア→コロラド旅の旅スケジュールまとめ編
です。

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おととい沖縄旅から帰って来ました。
本記事のブログのヘッダーの写真は、デンバー旅のフライト時のものではなく、おとといの沖縄旅の写真です。
沖縄旅については、おいおい記事にしていきます~^^